タイ中部ナコーンナーヨック県で大規模な違法賭博場が摘発され、200人以上のギャンブラーが逮捕された。
違法賭博場の運営実態が明らかに
タイの副首相兼内務大臣であるアヌティン・チャーンビラークル氏の指示のもと、特別捜査チームがナコーンナーヨック県にある違法賭博場を急襲した。この賭博場は、周囲を田んぼに囲まれた場所にひっそりと設置され、24時間営業で運営されていたことが判明した。
もともと、この違法賭博場の存在についてはナコーンナーヨック県オンブズマンセンターと内務省オンブズマンセンターに対する市民の通報がきっかけで捜査が開始された。
発見された賭博資金と設備
摘発の結果、現金とチップの総額が約200万バーツ(約600万円)に上ることが判明。また、オンラインギャンブルを含むさまざまな賭博ゲームが行われており、多数のギャンブル用具も押収された。
さらに、この賭博場は約1年間にわたって運営されていたことが判明し、ギャンブラーを現地まで運ぶためのタクシーやミニバス、バンが手配されていたことも確認された。
内務大臣のコメント
摘発について、チャーンビラークル内務大臣は以下のように述べている。
「内務省の役割は、社会秩序を維持し、国を整然としたものにすることであり、社会の悪習を取り除き、国民の安全を確保することです。この目的に反するものは、国家の仕組みを活用して徹底的に排除しなければなりません。」
カジノ合法化議論の中での摘発
今回の摘発は、タイ政府がランドカジノの合法化を検討している最中に行われた。昨年12月には、タイ内閣がカジノを含む統合型リゾート(IR)開発を進めるための法案を承認しており、政府はギャンブル産業の規制を強化しながら合法化を進める姿勢を示している。
しかし、最近の世論調査ではタイ国民の多数がカジノやオンラインギャンブルの合法化に反対しているという結果が出ており、今後の議論の行方が注目される。
まとめ
- ナコーンナーヨック県で違法賭博場を摘発、200人以上を逮捕
- 現金・チップ総額200万バーツ(約600万円)と賭博用具を押収
- 1年以上の運営が発覚、ギャンブラーはタクシーやバンで送迎
- タイ政府はカジノ合法化を検討中も、国民の多くは反対
- 政府は社会秩序維持と違法ギャンブル排除に引き続き取り組む方針
違法ギャンブルの取締りを強化しながら、一方でカジノ合法化を進めようとするタイ政府の動きに、今後も注目が集まる。