香港のスポーツ振興に新たな資金源を
香港サッカー協会(HKFA)の会長、エリック・フォク氏は、地元サッカー試合への賭博を合法化することで、香港のスポーツセクターにさらなる資源をもたらし、外部資金への依存を減らす可能性があると提案しました。
フォク氏は最近、「South China Morning Post」のインタビューで、この提案がまだ「議論段階」にあると述べたものの、香港のスポーツ界の関係者から支持を得ていると明らかにしました。「多くの人々がこの件について言及し、支持しているとの声を聞いています」と述べています。
賭博合法化の潜在的メリット
フォク氏は、賭博の合法化により、必要とされる財政資源がもたらされる可能性を強調しました。しかし、同時に社会的懸念にも配慮する必要があるとし、「非常に慎重で、社会の支持を得ることが重要だ」と述べました。また、強固な規制が不可欠だとしています。
さらに、2024年の香港年間最優秀サッカー選手であるフィリップ・チャン氏もこの提案を支持。「合法化は投資を呼び込み、地元サッカーへの関心を高める助けになる」と述べました。
現在の香港のスポーツ賭博の状況
現在、香港で合法とされているスポーツ賭博は、競馬と主要な国際サッカーイベント(例:イングランド・プレミアリーグ)に限定されています。
香港ジョッキークラブが運営する合法賭博の枠組みでは、2024年度のサッカー賭博収益が1,603億香港ドル(約2,060億円)に達し、前年比2.2%の増加を記録しています。
反対意見と懸念
一方で、この提案には抵抗もあります。香港のホーム・ユース・アフェアーズ局は、試合操作(マッチフィクシング)のリスクや、地元サッカー賭博への需要が少ないといった懸念を表明しています。同局のアリス・マク長官は、2024年12月に「政府の方針として賭博を奨励しない」と述べています。
また、賭博合法化に反対する声として、社会的影響や依存症の問題が挙げられています。
賭博拡大を巡る議論
地元サッカー以外にも、賭博拡大の議論は広がっています。2024年には香港ジョッキークラブの最高経営責任者(CEO)がNBA試合への賭博導入を提案。さらに、議員のエイドリアン・ホー氏は、サッカー賭博税の増加やライセンス拡大、F1など新たなスポーツを賭博対象に加える提案を行いました。
今後の見通し
フォク氏は慎重な姿勢を示しながらも楽観的。「香港の状況だけでなく、サッカー界全体の動向も考慮する必要があります」と述べています。
賭博合法化が地元サッカーに新たな息吹を吹き込み、財政的な活力をもたらすと期待する一方で、社会的・規制上の課題が依然として大きな議論の的となっています。