Googleは、ポーカーやスロットなど現金のやり取りを伴わないカジノ風ゲームを提供する「ソーシャルカジノアプリ」において、広告のパーソナライズ(個人向け)ターゲティングを認める新ルールを導入します。この変更は、Googleの広告ポリシーの一部見直しとして、2024年12月4日から段階的に施行され、2025年3月までに完全運用される予定です。
変更の概要
ソーシャルカジノアプリは現金や景品が絡まないにも関わらず、従来は「ギャンブル関連」広告として扱われてきました。しかし今回の緩和により、ソーシャルカジノアプリはターゲティングの精度を上げた広告を打ち出せるようになります。一方、実際に賭けや景品が絡むギャンブル広告に関しては、従来通りパーソナライズターゲティングは禁止されています。
Googleの新しいポリシーでは、次のように定義されています: 「ギャンブル関連の興味カテゴリーは、オンラインおよびオフラインのギャンブル、賭けに関する情報、景品を伴うオンラインゲーム、および現金が関わるもの以外のカジノゲームも含むが、Googleアプリキャンペーンを利用してソーシャルカジノゲームアプリを宣伝する場合は対象外とする。」
業界への影響
今回の変更により、ソーシャルカジノアプリの広告はより細かいユーザー層に向けたターゲティングが可能となり、広告の効果やユーザー獲得が期待されています。業界の専門家は、今回の緩和がソーシャルカジノ開発者にとってユーザーエンゲージメント(関心の向上)や広告収益向上に繋がると予測しています。
ただし、Googleは広告ルールの違反に対して厳しい姿勢を維持しており、ルール違反があった場合はアカウント停止の警告が出されます。Googleによると「違反が発覚した場合、アカウントが即時停止されるのではなく、少なくとも7日前に警告が通知されます」とのことです。
背景
この変更は、ソーシャルカジノと伝統的なギャンブルを区別する流れとも一致しています。ソーシャルカジノは現金を伴わない無料プレイが基本で、ギャンブル依存リスクも低いとされています。また、広告主は未成年への広告表示を避けることや、特定地域に限定すること、責任あるギャンブルのメッセージを含めるなど、10の要件に従う必要があります。