70対24の大差 ノースダコタ州議会、2026年スポーツ賭博合法化案を否決

FIBA

ギャンブル依存症や社会的影響への懸念が中心に

2025年1月24日、ノースダコタ州議会は、2026年の総選挙でスポーツ賭博の合法化を有権者に問う決議案「下院合同決議案3002号」を70対24の大差で否決しました。この決定は、スポーツ賭博の社会的・経済的影響をめぐる議論を経て下されました。

法案の内容

提案された決議案は、州憲法を改正し、プロおよび大学スポーツへのスポーツ賭博を合法化・規制することを目的としていました。この法案が成立していれば、新たに得られる税収は、州内のK-12公立学校に充てられる予定で、年間2,500万~3,000万ドルの収入が見込まれていました。

賛成派の主張

賛成派は、ノースダコタ州民にこの問題を判断する権利を与えるべきだと主張しました。共和党議員スコット・ラウザー氏は、「州民は一度もこの問題について意見を述べる機会を得ていない」と指摘し、住民投票を実施する重要性を訴えました。さらに、ラウザー氏は「賛成・反対に関わらず、有権者にこの問題を直接決める機会を与えるべきだ」と述べました。

また、別の議員も、州民の意見を確認するために投票の機会を与えることが民主的だと強調しました。

反対派の懸念

一方、反対派はギャンブル依存症やオンライン賭博のアクセスのしやすさについて深刻な懸念を表明しました。民主党議員アリサ・ミツコグ氏は、スポーツ賭博が引き起こす多額の負債について警鐘を鳴らし、「これは現実であり、非常に懸念すべき問題だ」と述べました。さらに、スポーツ賭博による借金を抱えた人々の実例を挙げて議会に警告しました。

共和党議員ローレンス・クレミン氏は、スマートフォンを通じたオンライン賭博の容易さを問題視し、「携帯電話があれば、どこでも簡単に賭博ができるようになる」と指摘しました。また、大学スポーツ選手が賭博絡みで中傷メッセージを受け取る事例が増えていることも強調しました。

今後の展望

今回の否決により、2028年まで州全体でのスポーツ賭博合法化を問う住民投票の機会は訪れない見通しです。ただし、州内の部族カジノでは、既存の協定に基づき引き続きスポーツ賭博が提供されています。いくつかの部族は、対面式スポーツブックを提供するための協定改正を行っており、これらの運営には州議会の決定の影響は及びません。

過去の試みと課題

ノースダコタ州ではこれまでもスポーツ賭博の合法化を目指す取り組みが繰り返されてきましたが、2019年、2021年、2023年の試みはいずれも失敗しています。2022年には、州知事が部族にスポーツ賭博の独占権を付与する提案を却下するなど、課題は続いています。

議員たちは引き続き、この問題の解決策を模索する意向を示していますが、ギャンブル依存症や社会的影響を懸念する声も依然として強く、州全体での合法化への道のりは険しいものとなっています。

タイトルとURLをコピーしました