中国、越境ギャンブルへの法的対応を強化

アジア

中国最高人民法院(最高裁判所)は、越境ギャンブルの組織者に対する厳しい処罰を指示し、特に暴力犯罪防止に焦点を当てる方針を明らかにしました。この動きは、違法ギャンブル撲滅のための地域的な取り組みの一環として、ASEAN諸国との協力を強化するものです。

主なポイント

  • 中国最高裁が越境ギャンブル組織者への厳罰を指示、暴力犯罪防止に重点を置く
  • マカオでの3000万元(約41億円)のギャンブル運営に関わった組織が摘発され、複数のメンバーに刑が言い渡される
  • 観光事業を装ったギャンブル運営やその資金ネットワークの遮断に特化した取り締まりを実施

厳罰の具体例

最高裁は今回、方針を示すために6つの代表的な事例を公表しました。その中には、マカオで違法ギャンブルを運営し、3000万元(約41億円)以上の不正利益を得た組織のリーダー、呉容疑者が含まれています。呉容疑者には懲役6年の刑が言い渡され、他のメンバーには30~36カ月の刑が科されました。

また、広西チワン族自治区に住むギャンブラー、唐容疑者がギャンブルで多額の借金を抱えた末に殺人事件を引き起こしたケースも紹介されました。唐容疑者は計画的な殺人で有罪となり、死刑が執行されています。

観光事業を装ったギャンブル摘発

最高裁は、観光事業を装ったギャンブル運営の摘発や、それらの資金ネットワークを遮断する取り組みを強化するよう指示しました。また、ギャンブルの深刻な影響についての啓発活動を推進し、ギャンブルによる犯罪の抑止を図る考えです。

ASEANとの連携による地域的な取り組み

中国の外相である王毅氏は、ASEAN大使らとの会談で、違法ギャンブルに関連する詐欺、資金洗浄、恐喝などの犯罪を取り締まるための地域協力の重要性を強調しました。このパートナーシップは、越境ギャンブルがもたらす複合的な問題への包括的な対応を目的としています。

厳罰化の内容

新しい規制では、最高で80万元(約1090万円)の罰金が科され、極端な場合には無期懲役も適用される可能性があります。この動きは、越境ギャンブルやそれに関連する暴力犯罪の抑止に向けた中国政府の強い意志を示しています。


この取り締まり強化は、中国国内外の違法ギャンブルネットワークの撲滅と、社会への悪影響の軽減を目指す重要な一歩といえるでしょう。

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