元ポーカープロが違法賭博詐欺で有罪を認める:罰金5.4億円と20年の懲役の可能性

アメリカ

2024年12月4日、元プロポーカープレイヤーであるコリー・ザイドマン氏(63歳)が、違法賭博詐欺に関連する郵便および電子通信詐欺の罪で有罪を認めました。同氏は最大で20年の懲役刑および約5.4億円(約360万ドル)の罰金や賠償金を科される可能性があります。

詐欺の手口:虚偽情報による高額な「賭けの助言」販売

米ニューヨーク東地区連邦検察庁の発表によると、ザイドマン氏は賭けの助言を販売する詐欺組織を率いていました。この組織は、ラジオ広告で顧客を誘い、続いて電話での高圧的な営業を行っていました。広告では「八百長試合」や「不正な審判」に関する内部情報を持っていると主張していましたが、実際にはすべて架空の情報でした。

ザイドマン氏らは複数の偽名や架空の会社名を使用して活動しており、顧客に「低リスクで稼げる」と信じ込ませていました。しかし、実際には提供された情報はインターネット検索で得られる一般的な情報や、完全な作り話だったとされています。

数十億円規模の被害

ザイドマン氏の組織は、2004年から2020年にかけてニューヨーク州やフロリダ州を中心に活動し、被害者から約37億円(2,500万ドル)もの手数料を騙し取ったとされています。

捜査を担当した米国国土安全保障省のリッキー・J・パテル代理特別捜査官は、「ザイドマン氏は人々の金銭的な苦境を利用し、虚偽の情報を販売して彼らを破産状態に追い込みました」と述べました。

詐欺の被害者を「おとり」として利用

ザイドマン氏は2012年に「ワールドシリーズ・オブ・ポーカー」でブレスレットを獲得した経歴を持つ元プロプレイヤーです。今回の詐欺では、10以上の偽名と少なくとも3つの偽会社名を使用して活動していました。

ニューヨーク東地区連邦検察官のブリオン・ピース氏は声明で、「ザイドマン氏とその共犯者たちは、スポーツ賭博で優位性があると虚偽の主張をして被害者をだまし、数億円をポケットに入れました」と述べました。

また、「ギャンブルを『投資機会』と偽って広告を行う者に対し、この有罪判決は厳しい警告です。我々は虚偽情報や詐欺行為を徹底的に摘発し、法のもとで厳しく追及します」と続けました。

今後の展開と関連する事件

ザイドマン氏の判決日はまだ決定していません。また、この事件はニューヨーク州でデジタルスポーツ賭博が合法化された数カ月後、そしてフロリダ州での合法化以前に起きました。

ニューヨーク東地区連邦検察庁は現在、元NBA選手ジョンテイ・ポーター氏が関与するスポーツ賭博スキャンダルも追及しています。ポーター氏は自身の試合から早退することで賭けの「アンダー」予想を的中させようと画策した罪で有罪を認めており、判決は12月18日に予定されています。

今回の事件は、スポーツ賭博が普及する中での重大な警鐘として注目を集めています。

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